2020シーズン最後の試合をまとめていきます。


 チーフス@バッカニアーズ


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『バッカニアーズ圧倒 18年ぶりのスーパーボウル制覇
ブレイディ個人は7度目の制覇』


正直ここまでチーフスが苦戦することは予想外でした。バッカニアーズの仕上がり方が半端なかったですね。序盤から圧倒的リードでモメンタムを引き寄せ、チーフスに反撃の隙を与えない完璧な試合となりました。

もう少し熱戦を期待していましたが、バッカニアーズのパフォーマンスに天晴と言うしかありません

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QBトム・ブレイディは通算7度目のスーパーボウル制覇となりました。3TDパスを上げ5度目のスーパーボウルMVPも受賞。43歳とは思えないパフォーマンスで、衰えるどころか若返ったような・・・移籍一年目 コロナ禍という厳しい状況の中 見事なシーズンのしめくくりとなりました。

チーフスは連覇を狙いましたが、予想外の丁重なパフォーマンスとなっていしまいました。QBパトリック・マホームズにとって最初の壁にぶち当たった試合だったかもしれませんね。

【Highlight動画】
https://www.youtube.com/watch?v=Gz5-NQROQGw


 見事な攻撃を展開したバッカニアーズ 


序盤はエンジンのかかりが遅かったのですが3回目の攻撃ドライブで1TDを取ってからは、完全にスロットル全開となり、後半までエンジンが切れることがなくラン・パスバランスよく攻め切れました。

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QBトム・ブレイディは今回で10回目のスーパーボウル出場だったのですが、1QでTDを奪ったことがなかったそうです。でも今回はTEロブ・グロンコウスキーへのTDを通し、初めて1QでTDを奪った試合となりました。

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この試合のQBブレイディはシーズン中のロング狙いのパスをほぼ封印し、精度と攻撃のリズムを作るパスで徹底していました。タイミングの早いショートパスがかなり多く、レシーバー陣との息はバッチリ合っていて理想通りの攻撃を展開しました。ロングボム封印はチーフス守備の裏をかく作戦だったのかもしれませんね。

RBのレシーブドロップがシーズンでは多かったのですがこの試合はドロップはほぼなく、安定してランアフターキャッチも出ていました。

こう考えるとやっぱMVPは納得ですかね。お見事でした。マジG.O.A.T.


TEロブ・グロンコウスキーはこの試合2TDを記録。やはりQBブレイディの最強の相棒ですね。クラッチレシーバーっぷりを見事大一番で発揮しました。


WRアントニオ・ブラウンもTDレシーブを記録。やはりスーパーボウル経験者なので落ち着いていましたね。

WRマイク・エバンス クリス・ゴッドウィンはあまり目立つ活躍はありませんでした。ただチーフスがロングボム警戒のためのDB陣を引きつけてくれたことで、ランアフターキャッチで稼ぐスペースができたわけです。チームプレイに徹したと言っていいでしょう。


ランもRBレオナード・フォーネットが1TDランを記録 力強い粘りのランも見せ、後半はしっかり時間を潰し切るランもお見事でした。フォーネットはレシーブでも活躍し攻撃の影のMVPと言っていいでしょう。

RBロナルド・ジョーンズもTDは取れなかったもののしっかりランで稼ぎました。この2人のRBが期待以上の仕事をしたこともありバッカニアーズペースを維持出来たと思います。

もちろんですがラン・パスを支えたOLのブロッキングもあったからこそです。序盤に1サックを与えてしまった後はプレッシャーをしっかり止めきりました。

バッカニアーズの攻撃はほぼ100点の出来だったのではないでしょうか。



 マホームズを封殺したバッカニアーズ守備 

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MVPは個人にしかあげられなかったので仕方がないですが、複数人選んでいいならバッカニアーズ守備全員にMVPをあげていいレベルでした。

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https://twitter.com/FieldYates/status/1358768309395722242

まずはDL EDGEの守備1列目の強烈なパスラッシュを披露しました。数字で見て分かる通りチーフスQBパトリック・マホームズに対して29回のプレッシャーを与えました。全スナップの52%もマホームズを追いかけまくったわけです。

サックは全部で3つでしたが、チーフスのパス攻撃をこれほどまでに封じたのは正直ここ数年見たこと無いレベルでした。試合開始からハイスパートなパスラッシュでしたのでどこかで隙が生まれるかもと思いましたが、最後まで集中してパスラッシュを続けたのはお見事というしかありません。ユニットにMVPをあげられるなら1列目全員にあげたい

チーフスは戦前からLTエリック・フィッシャーの離脱でOLに不安がありましたが、ここまで不安が露呈するとは思わなかったです。


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マホームズも倒されながらも無茶に見えるパスを投げ、失敗はしたもののしっかりレシーバーに投げていました。正直こんなの手首だけで投げてこれほどの精度のパスを投げれるのはマホームズにしかできません。凄さは見せつけましたが、厳しかったことは間違いないです。


レギュラーシーズンではWRタイリーク・ヒルに262ヤードもの記録的なレシーブをされてしまいましたが、今回はWRヒルを完全に封じることに成功し2INTを奪いました。見事にセカンダリー陣は大一番でやり返した形となりました。

最後までしっかりカバーしビッグプレーをしっかり阻止 TEトラビス・ケルシーには距離は稼がれましたが、決定的な場面は与えること無く最後まで抑えきりました。こちらも素晴らしかったですね。


ランは戦前から苦戦は予想してましたが、何度かRBクライド・エドワース=イレアーが抜け出しましたが、攻撃全体の打開には至りませんでした。

QBマホームズが先発となってからチーフスは初めてTDを奪えなかった試合だったそうです。なんとカレッジ時代出場した試合でもTDを毎試合取ってたそうで、カレッジ・プロ通算しても初めてTDが記録出来なかった試合となったそうです。正直普通ありえない記録ですわ・・・それを途切れさせたバッカニアーズ守備が素晴らしかったと賞賛するしかないですかね。

QBマホームズにとって初めての挫折だったかもしれません。逆にこの屈辱を晴らすために来シーズン怖いわ・・・AFCのチームとしてもなんとか独壇場は阻止したいですね。



 反則地獄となったチーフス守備 


この試合の敗因とも言える反則の量となってしまったチーフス。前半だけで8回95ヤード罰退と最悪な状況でした。シーズン反則数ワースト3だったのがそのまま不安として試合に出てしまいました。

正直これで取られるの?というのも何個かあり、審判もやりすぎだったかなぁと思うところもありますが、目をつけられすぎたのがまずかったです。

特に2つ目と3つ目のバッカニアーズのTDはチーフスの守備の反則が原因でした。

2つ目はFGに抑えたと思ったらオフサイドして攻撃続行した上で取られ、3つ目はパスインターフェアを犯しレッドゾーンまで侵入させてしまいました。QBブレイディもそれも狙ったロングボムだったと思います。まんまと引っかかってしまった形でした。


Sタイラン・マシューも反則の苛立ちが隠せず、QBブレイディに対しトラッシュトークをする場面も。。。そういえばINT取ったと思ったらホールディングの反則で取り消しになったりついてない試合でした。

反則によって完全に守備は崩れてしまいました。


と思いましたが前半に4thダウンギャンブルを止めたのが唯一の良い点でした。ただその後しょぼパントで結局ピンチはつづきましたがね・・・

バッカニアーズの少ないミスを反則で潰してしまったのが残念でした。後半も守備は修正出来ず作戦負けだったのかなと。特にラン守備の不安に対する策がまったく見えてこなかったのがずるずるいってしまったのかなと思います。



 チーフスの采配に疑問も? 

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前半バッカニアーズに残った時間は55秒 タイムアウトも1個という状況でした。チーフスは時間を潰して前半を終わらせてよかったと思うのですが、2度タイムアウトを使い自分たちの攻撃に戻す欲が出てしまいました。

案の定守備のパスインターフェアをしてしまい。エンドゾーン前まで進まれ結局WRブラウンへTDパスが通りいらない7点を献上 6-21で前半が終了となりました。

チーフスHCアンディー・リードは昔からタイムコントロールが下手と言われていましたが、この大一番でそれが出てしまった形となりました。

正直前半の守備の状態を考えれば、後半立て直す為に時間は流して前半を終わらせるべきでした。逆に言えばそれだけ30秒ほど余ればQBマホームズなら点を取ってくれると信じているとも取れなくもないですが、この試合の明暗の分かれ道はここだったと言っていいでしょう。


 スタッツなど


 チームスタッツ 

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目立ったものは反則の違いだけですね。それだけ反則の差が大きかった試合だったということが言えるでしょう。

バッカニアーズは後半時間つぶし中心だったので互角のスタッツになったとも言えるでしょう。


 パス 

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マホームズの1試合でのレーティングは過去最低の数字だったようです。OLの大事さを痛感する試合となってしまいました。ブレイディは流石のスタッツで納得のMVPです。



 ラン 

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エドワース=イレアー自体は頑張ったものの試合展開で起用が難しかった。バッカニアーズの2人のRBはうまく機能しました。期待に答える活躍でした。


 レシーブ 

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数字としてはチーフス WRヒル TEケルシーは出ていますが、詰めが甘かった。というか2人以外がもう少しなんとかしなければいけませんでしたね。

バッカニアーズは効率が良かったです。

 守備 

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気になったのがチーフスLBヒッチンズ 試合には53スナップ出場としっかり試合に出ていましたがたった1タックルと存在がなかったような記録となってしまいました。ラン守備がうまくいかなかった原因だったかもしれません。

バッカニアーズは全員で8QBHIT パスディフェンスも9個としっかりパス対策ができていたといえるでしょう。


 キッカー 

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どちらも50ヤード超えを決めパーフェクト キックはほんと安定していました。両選手ともお見事でした。



 スーパーボウルを彩ったイベント関連


 愛国歌&国歌斉唱 





愛国歌 アメリカ・ザ・ビューティフルは『H.E.R.』国家斉唱は『エリック・チャーチ』『ジャズミン・サリヴァン』が務めました。

愛国歌は力強いボーカルで良かったです。国家斉唱アレンジとしては悪くないんですが、ちょっと試合後に聞きたくなるマッタリなアレンジで、試合前としてはもっと気合が入る感じがよかったかもです。

国歌斉唱後のフライオーバーは今年はステルス戦闘機を含めた3機の戦闘機が上空を飛行しました。



戦闘機には詳しくありませんが、とりあえずなんかかっこよかったな!って感じです。



 ハーフタイムショー 




今年のハーフタイムショーは『ザ・ウィークエンド』が務めました。

自腹で7億円を投じるなどの報道もあったとおり豪華なステージとなりました。22000人とコロナの影響で限定した客入れのため、空いた客席を使用しステージを作るなど画期的ではあったと思います。

ただTwitterのタイムラインでは大勢のパフォーマーの姿を見て『変態仮面』というものをよく見ましたが・・・・たしかにそう見えるよな・・・・



 その他気になったこと


 やられたらやり返す 


チーフスが追い詰められた4th9でパスを防いでターンオーバーとなった際にバッカニアーズSアントニー・ウィンフィールドがチーフスWRタイリーク・ヒルに対して目の前でピースサインをする挑発をしました。

過度な挑発となりアンスポーツマンライクコンダクトとなりましたが、プレイ後なのでターンオーバーは変わらずでした。

これはWeek12で対戦があった時にWRヒルがやった挑発をやり返したもので、新人らしい若さが溢れ出てしまいました。ただやりすぎなので気をつけていただきたい。


 スーパーボウル新記録 


チーフスQBパトリック・マホームズはこの試合、スクリメージから出ないで逃げた距離が497ヤードとなりスーパーボウル新記録を更新したようです(2016年からの記録らしいが)

ほんとこの試合はポケットが作れず逃げに逃げまくりました。マホームズはそれでもパスが投げれるからすごいんですが、この試合はバッカニアーズ守備が完全に上回りました。

しかしこんな記録よく取っておいたもんだなぁと。『Next Gun Stats』さんよく記録調べました。

ここのサイトはGPS(ヘルメットにつけてる?)を追ったプレイでの選手の動きなど確認できるので暇つぶしにぴったりです。

https://nextgenstats.nfl.com/



 トロフィーには警戒 


バッカニアーズ勝利後、ペイトリオッツ公式が祝福のツイート 追記で『グロンコウスキー トロフィーの扱いには注意してください』と注意喚起をしました。

これは2019年のペイトリオッツがスーパーボウルを制覇したビンスロンバルディトロフィーをグロンコウスキーが野球で遊んでバット代わりにしてバントをした際 トロフィーにボールを当てた凹みができたことが注意喚起として促されることとなりました。

ペイトリオッツはすでに5個トロフィーがあったので寛大な気持ちで許していましたが、バッカニアーズで同じことをしたら許されないでしょう。流石にもうやらないとは思いますがwww



 乱入者 


試合終盤 上半身ハダカの客が乱入 アメリカの放送局はこういう乱入者が来た際はカメラで追わずすぐCMなどに切り替えます。乱入者の露出を極限まで減らして、目立つ行為を無駄にする目的だそうです。

結局炎上目的は無視が一番効果的ということでしょうね。



 選手のファッションセンス 

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バッカニアーズ EDGE シャキル・バレットがNFL NETWORKの番組でインタビューを受けた際、この写真が晒されていました。

ド派手なチェック柄がついた白スーツにそれに合わせたバンダナ。流石の高いファッションセンスで、ファッションに疎い私にはついていけない領域です。

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よくファッションで話にあがるペイトリオッツ QB キャム・ニュートンですが。改めて見るとやっぱり飛び抜けたセンスですね。バレットもこの領域まで行けるか来年度は頑張っていただきたい。

ということで今シーズン終了です。1年おつかれさまでした。2021年FA戦線でまたお会いしましょう