総括は攻撃編 守備編 ST・チーム総括編 の3部構成です。今回は攻撃の総括となります。


 QBの総括

【先発】

◆ベイカー・メイフィールド
(16試合 1046スナップ)


・パス
 305/486 成功率62.8% 3563ヤード 26TD 8INT
 レーティング95.9 26被サック 被プレッシャー率18.8%
・ラン
 54回 165ヤード 1TD

Baker Mayfield All Qb-grid Chart
https://nextgenstats.nfl.com/charts/list/qb-grid/cleveland-browns/2020/week/baker-mayfield/MAY483453/2020/all/qb-grid

2019年の不調を吹き飛ばし、復活を遂げ見事にプレーオフに導いてくれました。一昨年と変わったことはやはりフットワークを使ったことでしょう。ブーツレック(プレーアクションから外に回り込んでからのパス)を多様したことによりパス攻撃のリズムを作ることができました。

昨年はOLも強固になりポケットタイムも2019年は2.3秒だったのに対し2020年は2.7秒と0.4秒は結構大きかったです。プレッシャーも受けることが少なくのびのびとプレイしていました。

勢いに乗ると止まらないお祭りタイプなので、今年もどれだけノリノリになれるかがカギとなることでしょう。とにかく明るく1年過ごしてもらいたい。



 RBの総括

【先発】

◆ニック・チャブ
(12試合 410スナップ)

・ラン
 190回 1067ヤード 12TD ファーストダウン獲得数56
 1ファンブル
・レシーブ
 ターゲット 16/18 150ヤード ファーストダウン獲得数6
 1ファンブル

シーズン序盤に負傷で離脱し4試合欠場となってしまいましたが、それでも1000ヤードランを達成しました。スピード カットバックの旨さはNFLトップクラス、ブラウンズの攻撃の軸はチャブです!

最大の魅力は抜け出しからの一撃TD。これがほんと定期的に出してくれるから試合のペースを握りやすいんですよね。好不調の波もなく、いつも高度安定のランを見せてくれます。ほんと怪我したときはどうなるか青ざめましたので怪我だけは気をつけてほしい。


◆カリーム・ハント
(16試合 548スナップ)

・ラン
 198回 841ヤード 6TD ファーストダウン獲得数44
・レシーブ
 ターゲット 38/51 304ヤード 5TD ファーストダウン獲得数19
 2ファンブル 4ドロップ

2番手というにはもったいないレベルの選手です。とにかく強引なランでファーストダウンを取りきってくれますレシーブ能力も高くランアフターキャッチで距離を稼いでくれます。セーフティバルブのレシーバーとしても貴重な存在です。

チャブ不在時ハントがいてくれたからこそ大崩せず持ちこたえることができたシーズンでした。NFLトップのRBコンビと主張しても問題ないと思います。今年もこのコンビで大暴れしてくれることを期待したい。


【控え】

ディアーネスト・ジョーンズ
(16試合 81スナップ)

・ラン
 33回 166ヤード ファーストダウン獲得数7
 1ファンブル 1ドロップ

主にスペシャルチームのキックオフリターナーとしてプレイしていました。チャブ離脱の際は2番手として出番が増え、見事に代役をつとめ乗り切ってくれました。今年もリターナーと3番手としてがんばってほしい。


ドントレル・ヒリヤード
(5試合 22スナップ)

・ラン
 9回 48ヤード ファーストダウン獲得数3

ジョーンズの起用によりほぼ出番がなくなってしまいました。現在無所属です。


アンディー・ジョノヴィッチ(FB)
(13試合 171スナップ)

・ラン
 2回 4ヤード ファーストダウン獲得数1
・レシーブ
 ターゲット 2/5 13ヤード ファーストダウン獲得数1 
 2ドロップ

リードブロッカーとスペシャルチームで出場。FBということで目立たないポジションです。あまりリードブロックを使ったランていうのがそこまで記憶に残ってないので印象が薄く申し訳ない。


 WRの総括

【先発】

◆ジャービス・ランドリー
(15試合 699スナップ)

・レシーブ
 ターゲット 72/101 840ヤード 3TD ファーストダウン獲得数46
 2ファンブル 6ドロップ
・パス
 4/4 成功率100% 1TD

エースレシーバーとして信頼度が高く、いいところで取ってくれるミドルターゲットです。ショートパスからのランアフターキャッチを稼ぐ能力も高いですし、ロングもこなせる万能レシーバーです。

昨年COVID-19の濃厚接触者として1試合欠場となってしまい、新人から7年続けていた連続試合出場記録も途切れてしまった不運がありましたが、とにかく怪我に強いというのが強みです。というか昨年は肋骨にヒビが入ったまま出場を続けていたタフっぷり。

あとはスペシャルプレイでパスを4回投げすべて成功しています。今年はある程度警戒されるかもしれませんね。

今年もエースとしてリーダーシップを発揮してほしい。



◆ラシャード・ヒギンズ
(13試合 502スナップ)

・レシーブ
 ターゲット 37/52 599ヤード 4TD ファーストダウン獲得数26
 3ファンブル 0ドロップ

一昨年は不可解な干され方をしましたが、昨年は見事復活を果たしました。メイフィールドとの相性が抜群のレシーバーです。ドロップなしがそれを物語っています。

ミドルターゲットとしてここぞのところで取ってくれパス攻撃を牽引した一人でした。流石にこの活躍で3番手は盤石でしょう。契約も更新しましたし今年も期待。



◆オデル・ベッカムJr.
(7試合 316スナップ)

・レシーブ
 ターゲット 23/43 319ヤード 3TD ファーストダウン獲得数17
 1ドロップ
・ラン
 3回 72ヤード 1TD

一昨年の補強で注目を浴びていたNFLを代表するトップレシーバーでしたが、移籍1年目はいまいちなパフォーマンスでうまく連携が取れてなかった印象でした。

昨年は開幕戦では不安なパフォーマンスでしたがその後はやっと本領発揮という活躍を見せていました。ただ残念ながら前半戦でACL断裂でシーズンエンドとなってしまったのは残念でした。

ディープスレッドタイプとして今年は開幕から爆発してほしい。



【控え】

ドノバン・ピープルズ-ジョーンズ
(12試合 268スナップ)

・レシーブ
 ターゲット 14/20 304ヤード 2TD ファーストダウン獲得数10
 1ドロップ

昨年のドラフト5巡目指名 シーズン序盤はキックオフリーターナーとしてプレイしていましたが、ベッカムの離脱により出番をもらい、そのチャンスを活かす活躍でシーズン後半からはディープスレッドを任されることになりました。

走力を生かした抜け出しは今後トップレベルになれる可能性を秘めています。今年は4番手となりそうですが、2枚ディープスレッドを使うプレイコールも起用される可能性もあるので成長に期待したい。


カダレル・ハッジ
(9試合 291スナップ)

・レシーブ
 ターゲット 11/17 180ヤード ファーストダウン獲得数11

控えレシーバー。ただレシーブ能力は高く控えで居てくれると心強い選手です。元々はスペシャルチームのガンナー(リターナーに最初にかけつけるタックラー)としてプレイしていました。



 TEの総括

【先発】

◆オースティン・フーパー
(13試合 684スナップ)


・レシーブ
 ターゲット 46/70 435ヤード 4TD ファーストダウン獲得数27
 1ドロップ

昨年注目の補強選手で見事に期待に応える活躍を見せてくれました。ビッグゲインとかの派手さは無いものの、堅実なレシーブでかなり助けられました。

チームにとって一番影響もたらしたのはブロッキング能力の高さです。パスプロテクション ランブロックどちらもしっかりしており、攻撃がうまく行ったのもフーパーが居たからこそです。今年もラン・パスどちらにも貢献してくれることを期待です。


【控え】

ハリソン・ブライアント
(15試合 591スナップ)

・レシーブ
 ターゲット 24/38 238ヤード 3TD ファーストダウン獲得数14
 2ファンブル 3ドロップ

昨年の4巡目指名の新人TEで、かなり出番をもらっていた印象です。ただ悪い印象としてボールセキュリティの甘さがあり、そこの改善が今年の課題となることでしょう。弱点を克服できればエンドゾーンで長身を生かしたクラッチレシーバーとして期待できるでしょう。


デビッド・ヌジョクー
(13試合 410スナップ)

・レシーブ
 ターゲット 19/26 213ヤード 2TD ファーストダウン獲得数13
 1ドロップ

昨年まで先発TEだったのがかなり出番が減らされてしまいました。弱点であるブロッキングは多少がんばりも見せるようになったとは思いますし、ビッグプレイ能力はTEの中では一番高いことは間違い有りません。2番手争いはブライアントの成長次第となりそうです、契約が今年までなのでちょっと寂しいですがトレード候補になってしまうかもしれません。


スティーブン・カールソン
(16試合 90スナップ)

 ターゲット 1/2 11ヤード ファーストダウン獲得数1

主にスペシャルチームでプレイしており、時折ブロッキングTEとして出場していました。


 OLの総括


【先発】

C C.J.トレッター(1061スナップ)

RG ワイアット・テラー(695スナップ)

LG ジョエル・ビトーニオ(1061スナップ)

RT ジャック・コンクリン(1000スナップ)

LT ジェデリック・ウェルズ(958スナップ)

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一昨年の弱点であったOLですが昨年はFAでコンクリン ドラフトでウェルズを獲得し、両Tを変更。シーズン序盤はまだ連携不足なところがありましたが、中盤からしっかりと連携が取れだし盤石なランブロック・パスプロテクションを披露し見事なシーズンとなりました。

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RGワイアット・テラー LGジョエル・ビトーニオはオールプロセカンドチームに選出されました。テラーは怪我で結構欠場していましたが、出場した試合のラン攻撃が毎度爆発していたこともあり選出となりました。ビトーニオは生え抜きの不動のLGとして見事なプロテクションでした。

Cトレッターは選手会会長も務めながら安定したプレイ・スナップで攻撃を牽引

RTコンクリンは大型FA補強として見事にブラウンズのOLを再生させてくれました。新人LTウェルズはカレッジ時代RTでしたがLTコンバートで見事なプロテクションを見せてくれました。

今年もこのユニットが健在ですのでプロテクションは不安なしと言っていいでしょう。昨年の状態を維持できれば文句なしです。



【控え】

T/G クリス・ハバート(291スナップ)

T ケンドール・ラム(114スナップ)

G/C ニック・ハリス(144スナップ)

G/T マイケル・ダン(1スナップ)


昨年までRTを務めていたハバートが控えで居てくれて、テラー不在時にGを務め踏みとどまってくれたのは結構大きかったです。今年もチームに残ってくれるのでOLの層は安定しそうです。

ラム以外は残留しており、プレーオフで大活躍となったG/Tダンも心強い控えとなることでしょう。万が一があってもこの控えがいるので今年も期待は高い。



 2020シーズン 攻撃ハイライト 

次回は守備編の総括です