春のリーグ会議が終わりました。契約以外のニュースをまとめておきます。
ちょっと項目が増えすぎた。


 TBエリアンスHC電撃引退




バッカニアーズHCブルース・エリアンスが引退を表明し、今後はバッカニアーズフロントに入ることが発表されました。HCの後任はトッド・ボウルズがDCから昇格も発表となりました。

一般的なチーム編成から考えると時期が2ヶ月ぐらい過ぎての出来事だったので、衝撃的でした。

エリアンスの声明文を要約すると

50年の人生フットボールのコーチとして働いてきた。今日からはバッカニアーズのフロントとしてチームを支援する役割に移る決断をした。

なぜ今なのか?

スーパーボウルを制覇したことでコーチとしての目標は達成することができた。チームは私が来る3年前より良い状態となっている。新しい役割でチームを支えるのを楽しみにしている。引退の計画は今オフに考えていたが、ボウルズになるべく失敗しないような形で引き継ぎたかった。ブレイディ復帰とFAでの選手引き止めにより力を維持することができたので、引き継ぐタイミングは今だろうという決断となった。

クレイザー家(オーナー)ビッドウェル(カーディナルスオーナー)選手達 ファンの皆さん 感謝したい人たちはたくさんいる、スーパーボウル制覇のシーズンを過ごせたことを感謝します。そして今後もチームに貢献できることを楽しみにしています。

とのことで、ブレイディの復帰で今しかない!というタイミングになったことで電撃引退となったそうです。

最初は一度はHC業を引退した健康面が理由なのかなと思いましたが、そうではないみたいで一安心です。

 ブルース・エリアンス HC成績 

年度 チーム 試合 勝ち 負け 分け 備考
2012 IND 12 9 3 0
2013 ARI 16 10 6 0
2014 ARI 16 11 5 0 WC敗退
2015 ARI 16 13 3 0 CC敗退
2016 ARI 16 7 8 1
2017 ARI 16 8 8 0
2019 TB 16 7 9 0
2020 TB 16 11 5 0 SB制覇
2021 TB 17 13 4 0 DP敗退
129 80 48 1

攻撃畑のコーチで2012年コルツのOCだった際、チャック・パガーノHCが白血病の治療で離脱の際に代理HCとなり、新人だったQBアンドリュー・ラックと共にチームのプレーオフ進出に貢献する活躍。翌年カーディナルスにHCとして招聘。

カーディナルスではQBカーソン・パーマーと共に2度のプレーオフ進出を果たしました。2017年のシーズンを最後に健康上の理由で引退を表明しました。

2019年にバッカニアーズのHCとして復帰をとなり、2020年にスーパーボウル制覇をしました。パス攻撃を軸にした非常に攻撃的な采配で、QBとの相性がとても良いHCだったと思います。

初HCとなった時はすでに60歳だったこともあり、超遅咲きのコーチだった印象です。そこから8年でこれだけの実績を残したのは素晴らしかったと思います。おつかれさまでした。



QBトム・ブレイディもエリアンスHCに感謝のメッセージをインスタグラムにアップしています。2年前に直接スカウトしてくれた感謝を述べています。

引き継ぐ形となったトッド・ボウルズは一度ジェッツでHCの経験があり2015~2018年の4年間で24勝40敗 2015年に10勝を挙げましたがそれ以降負け越しが続き残念な結果となってしまった印象です。今回は戦力も違いますのでエリアンスの作った戦力でどれだけ成績を残せるか期待しましょう。ちなみにボウルズとは5年契約を結んだそうです。かなり思い切った契約ですね。

最後にちょっとだけ気になる話題ですが、新HCを選ぶ際にマイノリティHC候補と必ず1人以上面談しないといけないというルーニールールがあるのですが、3月1日以降に発生するコーチの欠員に対してはルーニールールの対象とはならないそうです。ボウルズが黒人HCであったこともあり、そこまで問題にはならなかったとは思いますが、細かいルールではありますが勉強になりました。


 OTルール プレーオフのみ変更



年次リーグ会議で2つの案があったオーバータイム変更案のオーナー投票が行われました。

イーグルス&コルツの『両チームに必ず最初のポゼッションが与えられる』案が32票中29票の賛成票を得て改定されることとなりました。ただしプレーオフのみの改定ということになりました。

それに加えて2行分ルールが書かれていますが

2行目は両チーム最初のポゼッションが終わって同点の場合はサドンデスとなり、最初の得点したチームが勝ちとなります。

3行目はコイントスで先攻を取ったチームがセーフティ(自殺点)したら試合終了となります。

ということなので特別なルール変更という感じではありません。



レギュラーシーズンでは改定なしとなった背景には、一部のHCがオーバータイムルールの変更に反対していることもあったと言われています。

2010年からの統計によるとレギュラーシーズンでのオーバータイムでコイントスに勝ったチームの勝敗は86勝64敗10分 プレーオフでは10勝2敗となっており、プレーオフでは明らかな差がありました。この改正で運要素がある程度減ることが期待されることでしょう。


 その他春のリーグ会議のニュースまとめ


 マイノリティの攻撃アシスタントコーチを一人入れることを義務化 



マイノリティの首脳陣雇用推進をするため新しいマイノリティ推進委員会が発足しました。今オフに前ドルフィンズHCだったブライアン・フローレスに対する人種差別的な行動を取ってしまったチームがあり、それを懸念したことでマイノリティへの強化支援を行った形となったようです。

リーグ会議で委員会の発足と共にマイノリティの攻撃アシスタントコーチを一人以上雇用することが義務付けされました。

本家の記事を見てもOffense Assistantと書いてあったので、守備コーチではなく攻撃限定の義務付けらしいです。なんで守備がはずされたかはよくわかりません。訳し方間違ってるかもしれませんが・・・

この委員会発足により、来オフまでに新たなマイノリティ採用ルールが増える可能性もあるようです。



 キックオフの選手配置位置のルールを正式採用 

20220331-1
セットアップゾーンはキック地点から10ヤード~25ヤードの間 ここに9人まで入れる。

昨年オンサイドキックの成功率向上のために実験的に改正された『レシーブチーム側がセットアップゾーンに入れる人数を9人までとする』というルールが正式に採用されることとなりました。

2020年はオンサイドキック成功率が7.8%だったのに対し、2021年はオンサイド成功率が13.5%に上がったことで、成功率向上が見られたことで正式採用となったようです。


 NOジェンキンス引退

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セインツのSマルコム・ジェンキンスが引退を表明しました。キャリア13年プロボウル3回選出 オールプロ1回選出の名選手でした。2009年にセインツに1巡目9位指名、新人年にスーパーボウル制覇を経験 2014年にイーグルスに移籍 2018年にスーパーボウル制覇で2個目のリングを獲得 2020年にセインツに戻ってきました。2チームで主力としてスーパーボウル制覇をした偉大な選手と言っていいでしょう。

 マルコム・ジェンキンス 個人成績 






















2009 NO 14 6 55 1 0 4 2 0.0 0 2
2010 NO 15 15 64 2 1 12 1 1.0 3 1
2011 NO 15 15 78 0 0 9 1 1.0 0 4
2012 NO 13 13 94 1 1 6 0 0.0 2 2
2013 NO 14 14 68 2 0 6 2 2.5 4 3
2014 PHI 16 16 80 3 1 15 1 0.0 3 0
2015 PHI 16 16 109 2 1 10 3 0.0 9 0
2016 PHI 16 16 72 3 2 9 0 1.0 3 3
2017 PHI 16 16 76 2 0 8 1 1.0 5 2
2018 PHI 16 16 97 1 0 8 3 1.0 6 1
2019 PHI 16 16 81 0 0 8 4 2.5 6 9
2020 NO 16 16 91 3 0 10 1 2.5 7 6
2021 NO 16 16 79 1 1 5 1 1.0 3 2
199 191 1044 21 7 110 20 13.5 51 35

この成績を見ても分かる通り、怪我が少なくSというタフなポジションで約8年間連続先発出場を果たし毎年高度安定した成績を残しました。34歳までこの安定した衰えないパフォーマンスを見せていただけに、今年もプレイするものかなと思っていたのですがね。

今年のセインツはFAでマーカス・メイ ダニエル・ソレンセンとSの主軸レベル選手の補強をしており、過剰補強かなと思っていたのですが、こういう事情だったようです。

パスカバーもタックルも素晴らしくFSでもSSでもこなせるオールマイティな選手でした。まだまだ力を残している印象でしたが、これだけ試合に出続ける体作りも大変だったことでしょう。おつかれさまでした。


 続QBワトソンのニュース

 ワトソン入団会見 GMとHCも同席 



先週の金曜にQBデショーン・ワトソンとブラウンズが正式に5年230M(年平均46M)完全補償というかなりの大型契約をかわし会見を行いました。会見にはアンドリュー・ベリーGM ケビン・ステファンスキーHCも同席しました。ハズラムオーナー夫妻もビデオ通話にて参加したそうです。

ベリーGMは5ヶ月前からワトソン獲得のため調査を行っており、ワトソンという人物を理解した上で獲得に値する結論に至ったそうです。もちろんハズラムオーナーも組織全体で検討したと発言がありました。

ワトソンに対して問題とされている22名の猥褻問題での民事訴訟についての質問をされ、暴行をしたことはない事実無根であると発言。自分がシングルマザーの母に育てられた生い立ちなども話したそうです。同情を求める点は現状の問題とは関係ないかなとは思いますが、戦う姿勢であることは示した形となり和解となる様子はなさそうです。

正直被害者とワトソンの性的暴行についての見解が違うのがこうなってるのかなぁ と個人的に感じました。ちょっとおさわりしたということでも性的暴行とも言えますしね。なんかその食い違いがあるような気がします。

5年間で40人以上にマッサージの施術を受けたことは認めたそうです。これ以上の内容は現時点では話せないそうです。まあ好きなんでしょうね。フェチシズムに関しては人それぞれですから。

徹底抗戦するつもりという点に関しては、お互い納得する解決にはならなそうな感じで怖い部分が見えますね。衝撃のトレードから10日経ちますが、個人的なモヤモヤは残ったままです。ワトソンの問題もですが、QBベイカー・メイフィールドの評価が低いということに対しても落胆しています。契約延長して最低でも5年くらいはメイフィールドで行くものと思っていたこともあり、今年見れない可能性もあるのがなぁ。このモヤモヤが開幕までに取れるといいのですがね。


 新たな刑事告訴をされるも即棄却 



刑事告訴が不起訴となったことでトレードが動き出した背景がありましたが、ブラウンズとのトレードが決定した後、違う件で新たな刑事告訴をされましたが、すぐ棄却されたそうです。おそらくワトソンの猥褻事件に類する件は民事訴訟はまだ残っていますが、刑事訴訟はもうないかなと思われます。


 コミッショナーがワトソン問題について発言 

コミッショナーのロジャー・グッデルがリーグ会議中の会見にてQBデショーン・ワトソンの猥褻問題の民事訴訟について発言しました。

刑事上では解決しましたが、民事上の訴訟はまだ続いて言います。何が事実なのか、個人的な行動に対する違反があったのか、その判断は選手会とリーグによって設立された懲罰担当の調査員が調べており判断を下すこととなるでしょう。

現時点でコミッショナー権限での免除リスト(commissioner's exempt list)に入れることはありません。

とのことです。調査が終わるまでは出場停止は無いという感じみたいですね。

ちなみにCommissioner's exempt listはWRジョシュ・ゴードンが薬物依存発生時にいっつも入れられているやつで、EDGEマイルズ・ギャレットがヘルメット殴打したときもこのリストに入りました。コミッショナー権限での出場停止リストで、コミッショナーに出場を認めてもらうまでは出場停止になるというリストです。

どこで審判が下されるかはわかりませんが、はやめに進展して、この問題どんな形でもいいので解決してほしいものです。スッキリした状態で開幕を迎えることを願っています。シーズン途中の中途半端なところで審判が下って異議申し立てとかごちゃごちゃなるのは避けてほしいなぁ。


 マイルハイ火災



ブロンコスのホームスタジアム『エンパワーフィールド・アット・マイルハイ』で火災がありました。当日スタジアム見学ツアーがあり、そのツアー参加者が客席が燃えているのを発見。火はかなりの広がりを見せスタジアムから黒煙が噴き上がっていました。

火災の原因は不明だそうですが、高地のスタジアムなので乾燥していることもあり火の広がりが早くなったのは間違いないでしょう。シーズン中じゃなくてよかったですね。怪我人もなかったそうです。


 ビルズ新スタジアムへ



ビルズは2026年に完成予定の新スタジアムの30年間リースすることが合意に至ったと発表されました。

ニューヨーク州が1700億円の予算でバッファローと同じ群のエリー郡オーチャードバークに2023年から建設が始まる予定で、NFLとビルズは678億円を負担する予定となっているそうです。

スタジアムの規模は6万人規模となっています。

まだスタジアムの概要はわかっていませんが、バッファローは寒い地区なのでできればドーム型がいいですね。屋外だとスーパーボウルの誘致もできないでしょうしね。


 WRエデルマン復帰?

バッカニアーズQBトム・ブレイディがワークアウトの映像をツイッターにて公開。そこには元ペイトリオッツWRジュリアン・エデルマンがレシーブをしている姿が。3箇所から連続でショートパスを受ける加工された動画に8万いいねが付きました。

膝の負傷で引退して2年が経ちましたが、全速力ではないとしても軽快な動きを見せるエデルマン。ペイトリオッツとは放出後に引退となっているため、縛りがなくバッカニアーズと契約ができる状態ではあります。果たしてブレイディとエデルマンのホットラインは復活するのでしょうか?


 今年のハードノックスはライオンズ


キャンプを密着取材するドキュメンタリー『ハードノックス』今年はライオンズに密着することが決定しました。

このハードノックスはGAMEPASSでも見られるのですが、字幕なしなので英語の自信がある人でないと楽しめないというハードルの高いものとなっています。

昨年からGAMEPASSは音声字幕翻訳にもチャレンジしており、日本語字幕翻訳がついていますが、精度が酷いレベルでまったく日本語になっていない状態です。今年はこの字幕の精度がある程度理解できるレベルに上がってくれていればいいのですがね。。。


 その他のニュース


・BALハーボーHC3年契約延長



レイブンズHCジョン・ハーボーが3年契約延長をしました。契約は2025年までとなっています。

ハーボーは通算137勝88敗 今年でHC15年目に突入 現役HCとしてはペイトリオッツのビル・ベルチック スティーラーズのマイク・トムリンに次ぐ3番目の長さとなっています。

レイブンズはQBラマー・ジャクソンが今年5年目オプションの年となっており、契約延長が期待されています。ただ今年パッカーズQBアーロン・ロジャースが3年150M ブラウンズQBデショーン・ワトソンが5年230M完全補償契約とビッグマネーを手にしていることもあり、2019年シーズンMVP獲得のジャクソンにも見劣りのしない大型契約が必要という話になってきています。一気に相場が上がってしまったこともあり、最低でも年40Mは出さないといけない感じでしょうかね?


・ドラフト開催地が2024年まで決定

今年2022年のドラフトはラスベガスで行われますが、2023年はカンザスシティ 2024年はデトロイトで行われることが決定しました。

2014年までは毎年ニューヨークで行われており、毎年ジェッツファンがジェッツの指名に一喜一憂するのが恒例となっていましたが、2015年から2年毎に開催地を代え2019年からは毎年開催地が代わるようになりました。オフの最大のイベントということもあり、開催地が固定じゃなくなってからイベントが巨大化してきたなぁと感じます。ファンの一喜一憂にも注目です。


・CARスミス 逮捕



パンサーズの昨年6巡目指名のWRシー・スミスがマリファナ所持 拳銃不法所持 スピード違反で逮捕されました。事故とかはなく、保釈金を払って釈放されているそうです。

昨年レイダースのWRヘンリー・ラッグスが飲酒運転で人身事故を起こして解雇となったことを考えると、こういうマリファナを吸ってスピード違反などはもう少し厳しい処分にしないといけないかもしれませんね。毎年こういう逮捕がありますが正直異常ですよ。

厳格な処分になると契約に織り込むとかリーグ全体で取り組んだほうがいいんじゃないかなと。せっかくリーグ会議やっているのでそういうのも話あってほしいものです。


・AB SNSでも奇行に走る?




昨年試合中の自ら離脱しバッカニアーズに解雇されたWRアントニオ・ブラウンが、インスタグラムのストーリーでモデルのシドニー・クリスティンさんとベッドインしている写真を投稿

この写真についてのDMのやり取りで「5Kドル払うか写真を晒されるか選べ」と言っているものも自ら投稿。どうやら貸していた金を返せという話らしいです。クリスティンさんはFA中のWRデショーン・ジャクソンの元カノだそうで、ジャクソンのアカウントにもリンクさせたらしいです。

しかしABはこれを晒してどうしたいのだろうか。。。貸していた金は大金(80万)ではありますが、なんか脅しとしか捉えられないですし、印象が更に悪くなっただけでは。。。



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