チーム戦力分析の前に、今オフに起こった大きめの出来事を簡単にまとめるつもりでしたが、結構長くなってしまったかもしれません。


 QB大移動

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 まずオフ一番手の大移動となったQBラッセル・ウィルソンのブロンコスへのトレード移籍。1巡目×2 2巡目×2に加え、QBドリュー・ロック TEノア・ファント DLシェルビー・ハリスの選手交換も入り大型トレードとなりました。

 ブロンコスとしては2015年シーズンで引退したQBペイトン・マニング以降、QBが固定できず勝ち越しすらできないシーズンが続いていました。QB以外は選手がいる状態だったので、プレーオフの常連でスーパーボウル制覇QBであるウィルソンの加入はラストピースと言えるでしょう。今年のブロンコスは大注目チームとなっています。

 昨年ブロンコスの先発QBだったテディ・ブリッジウォーターはドルフィンズと契約となりました。ツア・タゴバイロアのバックアップとなるのが濃厚ですが、タゴバイロアの調子次第では先発復帰もありえるかもしれません。




 昨年テキサンズのフロントと揉め、その間にマッサージ師への強制猥褻により24件の民事訴訟を抱え、1年休養したQBデショーン・ワトソンがブラウンズにトレード移籍となりました。この争奪戦にはファルコンズ・パンサーズが参加したと言われています。

 ブラウンズは1巡目×3を含む6つの指名権を出して、新契約として5年230M全額保証というとんでもない契約を打ち出しワトソンを強引に獲得しに行った形となりました。民事訴訟の件で出場停止の可能性を残した状態でのこの大盤振る舞いっぷりはかなり賛否が別れる獲得となりました。


 昨年まで先発をしていたベイカー・メイフィールドはこのワトソン獲得により宙ぶらりんな状況となってしまいました。FA解禁後で他のチームがQBをほぼ固まった形からのトレード容認となってしまったことで、出遅れてどこも獲得に乗り出さなかったという状態となってしまいました。



 キャンプ直前にやっとパンサーズとのトレード移籍が決まりましたが、対価が条件付き5巡目と10Mサラリーキャップ負担 ブラウンズとしてはかなり足元を見られてタダよりマシという形で放出となってしまいました。ほんとブラウンズのフロントのまずさが露呈されたオフシーズンでした。やっと手に入れたフランチャイズQBをこんな形で別れることになるのはほんと寂しい。新天地でいいスタートを切ってくれることを願っています






 その他カーソン・ウエンツは新チーム名となったコマンダースへ移籍、NFC東で古巣のイーグルスと対決することになります。

 そのウエンツを放出したコルツはファルコンズからマット・ライアンをトレードで獲得しました。今年は大ベテランの復活にかけるシーズンとなります。

 ライアンを放出したファルコンズはマーカス・マリオタと契約しました。昨年までレイダースのバックアップQBでしたが、先発復帰濃厚となっています。タイタンズ時代にプレーオフ2回進出をした力を取り戻してほしいですね。


 WRも大移動とサラリーインフレ

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 WRダバンテ・アダムスがレイダースにトレードで移籍となりました。アダムスは今年パッカーズからフランチャイズ指定を受け、契約交渉をしていましたが難航。アダムス側はフランチャイズタグの1年契約ではプレイしないという姿勢で、交渉が決裂となりトレードに踏み切ったものと思われます。対価は1巡目と2巡目

 トレード後レイダースと5年140Mの当時WR最高となる新契約を結びました。レイダースのQBデレク・カーとはカレッジ時代のチームメイトで8年ぶりのカレッジホットラインが復活となります。この2人の活躍は大注目ですね。




 アダムス移籍1週間後、WRタイリーク・ヒルがドルフィンズへトレードというこれまた衝撃的ニュースが流れてきました。ヒルもチーフスの契約延長交渉を進めていましたが、どうやら上手くいかずトレードということになったようです。

 そしてドルフィンズと交わした契約がアダムスを上回る4年120M 年平均で30MとWR最高給を更新しました。リーグを代表する2人のレシーバーの移籍と高額サラリーは衝撃的な出来事でした。




 ドラフト1日目でも衝撃的なトレードが行われました。A.J・ブラウンがイーグルスへ マーキス・ブラウンがカーディナルスへトレード移籍となりました。どちらも1巡目指名との交換となりました。

 A.J・ブラウンはタイタンズとの契約延長交渉がまとまらず放出となり、イーグルスと4年100Mの大型新契約をまとめました。マーキス・ブラウンはレイブンズでの起用法に不満がありトレードを要望していたようです。カーディナルスはクリスチャン・カークをFAで放出していたので、その穴埋めとして補強となりました。






 ブラウンズもWRの入れ替えが行われました。カウボーイズからWRアマリ・クーパーをトレードで獲得し5年100Mの新契約を結びました。そして玉突き的にWRジャービス・ランドリーを解雇、4年間エースWRとしてチームを牽引した選手だっただけに残念な放出となりました。フロントは近年のチーム状況を一新したかったんですかねぇ・・・ファン的には残念な編成だったなぁと思います。

 ランドリーは地元であるセインツと1年3Mで契約となりました。

 その他のポジションの大型移籍

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 守備の補強ではチャージャースが目立った動きを見せました。EDGEカリル・マックをトレードで獲得 CB J.C・ジャクソンをFAで獲得し、リーグを代表するパスラッシャーとボールホークの2枚を補強しました。昨年攻撃は良かったものの守備が粘れなかったことでプレーオフを逃したこともあり、この補強は今年が勝負であるという意思を感じるものとなりました。





 EDGEボン・ミラーはビルズに加入 契約が6年120Mと33歳のEDGEに対して予想外の長期契約となりました。ただ契約内容的には3年契約と残り3年はオプション契約という感じではあります。ビルズは昨年エースパスラッシャー不在でローテーションで回していた形でしたが、軸となる選手が来て、若手EDGEにいい影響を与える結果になることを期待した補強と言えるでしょう。




 シーホークスから解雇となったLBボビー・ワグナーはラムズと長期契約を結びました。昨年のチャンピオンチームの弱点であったLBの層の薄さを一気に解消する補強となりました。オールプロ6回選出のリーグを代表するLBの補強で2連覇を目指す戦力は揃いました。




 今年のFAの注目だったSタイラン・マシューはセインツを選択しました。マシューの契約はなかなか決まらず、ドラフト終了後にやっと所属先が決まりました。

 セインツはSマーカス・ウィリアムスが移籍してしまいましたが、今年はマシューに加えマーカス・メイ ダニエル・ソレンセンを補強しており、Sはかなり充実しているというか過剰補強とも言えます。チャウンシー・ガードナー-ジョンソンを含め4人のSの使い方をどうするのか気になります。


 主な大型契約延長まとめ

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 パッカーズのQBアーロン・ロジャースはリーグ最高給となる3年150.8Mで契約延長。一時はパッカーズからトレード移籍も予想されていましたが、大型契約延長で残留となりました。昨年4度目のシーズンMVPを獲得したこともあり、納得の契約かもしれませんね。

 レイダースQBデレク・カー ラムズQBマシュー・スタッフォードが共に年平均40M超えの契約延長を結びました。新契約を結ぶQBの指標となる契約となったように感じます。こう考えると一昨年に話題になったチーフスQBパトリック・マホームズの10年503M(年平均50M)は安く感じてくるかもしれませんね。



 昨年のレシーブ三冠 攻撃MVPを獲得したWRクーパー・カップは3年80.1Mで契約延長 ビルズのWRステフォン・ディグスも4年96Mの契約延長 トップクラスのWRの契約は年平均25Mが相場となりそうです。トップは上記でも書いた通りドルフィンズに移籍したWRタイリーク・ヒルの年平均30Mです。今オフはQBとWRの契約の相場が一気に上がった印象が強かったですね。



 ラムズDLアーロン・ドナルドが3年95Mで契約延長 年平均32.7MとなりQB以外のポジションで最高給となりました。守備MVP3回を獲得した守備のスーパースターですので当然の報酬かなと思います。ラムズのスーパーボウル進出・制覇の原動力となったのは間違いありませんし、今年も注目の選手です。





 DB陣も最高給を更新する契約が続きました。CBの最高給となったパッカーズCBジャイア・アレクサンダーは年平均21M Sの最高給となったスティーラーズSミンカ・フィッツパトリックは年平均18.4Mの契約となりました。ほかのポジションから比べると緩やかな上がりかもしれませんが、来年以降は平均20M台が増えることは間違いなさそうですね。

 気になることはラムズが大型契約をバンバン結びすぎていること。今年新契約を結んだのをまとめると

QB マシュー・スタッフォード
 4年160M 年平均40M
WR クーパー・カップ
 3年80.1M 年平均26.7M
DL アーロン・ドナルド
 3年95M 年平均32.7M
LB ボビー・ワグナー
 5年50M 年平均10M
CB ジェイレン・ラムジー
 5年100M 年平均20M(2020年契約)



この5人だけでざっと年平均だけで計算したら129.4Mです。今年のサラリーキャップが208Mですので半分以上をこの5人の契約が締めている形となっています。ただいなきゃいけない選手達ですので、半分ちょっとで済んでるならいいのかな?まあ素人計算なので、どこのチームのGMもしっかりやりくりしていますし問題ないんでしょうね。

 主な引退選手まとめ

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 スティーラーズQBベン・ロスリスバーガーが引退となりました。キャリア18年スーパーボウル2度制覇したAFC3強と言われた時代の一人として活躍しました。(残り2人はトム・ブレイディ ペイトン・マニング)

 ブラウンズとしてはロスリスバーガー相手にレギュラーシーズンで2勝26敗1分けとボロクソにやられており、お得意様となっていただけに憎い相手ではありますが、2020年プレーオフで勝利した時はうれしかったなぁ。いなくなると寂しさも感じる選手ではありますが、これからスティーラーズにはお返しをもらわないと。おつかれさまでした。




 9チームを渡り歩いてきたQBライアン・フィッツパトリックも引退となりました。残念ながらプレーオフにはたどり着きませんでしたが、どのチームでも先発経験があるというのがすごいことです。基本はバックアップではありましたが、必ず交代が起こることで呪いとも表されていた時代もありました。

 ハーバード大卒で頭脳明晰でありながら、プレイスタイルは一か八かのぶん投げや自ら突っ込む無骨なスタイルであったのも特徴的でした。




 総獲得ランヤード3位の成績を誇るRBフランク・ゴアも正式に引退となりました。実質昨年引退とも言える状態ではありましたが。

 引退表明後はプロボクシングデビューを果たしKO勝利をしました。今後は裏方とボクシング両立を目指す形となるそうです。




 TEロブ・グロンコウスキーが2度目の引退を表明しました。一度ペイトリオッツで引退を表明した1年後トム・ブレイディと共にバッカニアーズで復帰しスーパーボウル制覇に貢献しました。

 2度目の引退表明となりましたが、もし声がかかったとしたら復帰も匂わせる発言もしており、シーズン中にもしかすると引退撤回が見られる可能性もあるかもしれません。ジョークか本気かどっちなのかはなんとも言えません。




 Tアンドリュー・ウィットワースが引退となりました。スーパーボウル初制覇し40歳となったウィットワース。文字通り有終の美を飾って引退に花を添えた形となりました。最終年もラムズのLTとして見事な活躍で制覇に導きました。おつかれさまでした。

 現役選手の死

 今オフは残念なことに若手の3選手が死亡となってしまいました。若くして亡くなるのは本当に残念です。


 スティーラーズ QBドウェイン・ハスキンス 享年24




 カーディナルス CBジェフ・グラドニー 享年25




 レイブンズ EDGEジェイロン・ファーガソン 享年26


 ハスキンス グラドニーは事故死 ファーガソンは薬物による偶発的な作用 ほんとこれからという選手ばかりで残念でなりません。事故の怖さを再確認させられる訃報でした。ご冥福をお祈りします。


 TBブレイディ引退を40日で撤回





 最後は明るいニュースで バッカニアーズQBトム・ブレイディが引退表明後40日で引退撤回となり23年目のシーズンをプレイすることが決まりました。

 ブレイディはプロボウル前に引退を表明。44歳のシーズンもまだまだトップレベルの力を発揮したこともあり、まだまだできるという声が多かったものの、シーズン前に引退撤回もあるんじゃないかという声もちらほら見かけました。

 しかしその予想よりも遥かに早くFA解禁前に引退を撤回。たった40日での復帰劇となりました。まだすべてを出し切ったとは言えないパフォーマンスでしたし、個人的には嬉しいです。45歳を迎えるシーズンどのようなプレイを見せるか楽しみです。

 今年で契約が切れることもあり、本当に今年が最後になるかもと予想しています。